Project
備瀬縁梵 - BISE ENPU -
フクギを感じながら心と身体をととのえるVilla
美ら海水族館から徒歩圏内に位置し、フクギ並木で知られる備瀬地区。
古くから「気の通り道」として語り継がれる、備瀬の聖地「ワルミ」。
その傍らに佇むこの宿は、フクギの木々の中に静かに身を置き、心と身体をととのえる場所です。
フクギは、大きな葉と広がりやすい枝を持つことから、防風林や雨水を集める役割を担う樹木として、古くから敷地を囲うように植えられてきました。
その間を通る側道は、フクギに覆われたトンネルのような空間をつくり、備瀬ならではの風景として、地域の人々によって大切に受け継がれています。
そんな備瀬の風景を身近に感じながら、空と自然に包まれて過ごせるヴィラを計画しました。
沖縄本島北部に位置する備瀬は海に面し、美ら海水族館からも徒歩圏内にあることから、多くの観光客が訪れる魅力的な地域です。
ノスタルジックな沖縄の空気が残り、周辺には趣のあるカフェなども点在しています。
フクギ並木を散策したり、レンタサイクルで周辺を巡ったり。
観光を楽しみながらも、豊かな自然の中でゆっくりと時間を過ごせる、沖縄でも特別な場所です。
今回の計画地は、フクギ並木から徒歩約10分。
観光客がほとんど訪れない静かな場所に位置し、周囲の視線を気にせず、自然の中でゆったりとした時間を過ごすことができます。
建物は扇形の構成とし、その外側にはフクギ、内側には空へと開かれたプールを配置しました。
どこにいてもフクギと空を感じられる一方、プライバシーにも配慮した構成としています。
風に揺れる枝葉の音、屋根や壁に響く雨音、木々の間から差し込む光。
視覚だけではなく、音や風、光を通して、ここでしか感じることのできない五感を刺激する空間を目指しました。
各棟には、それぞれ異なる方位にフクギを望む窓を設けています。
窓の向きによって差し込む光や木漏れ日の表情が変わり、時間帯や季節ごとに異なる景色を楽しむことができます。
また、フクギに囲まれた敷地は風が心地よく、年間を通して自然の恩恵を感じられる場所です。
その環境を活かし、ヴィラ内の各居場所へは、外部空間を通りながらアプローチする構成としました。
テラスは地面から半階分持ち上げ、スキップフロアとすることで、地上とは異なる伸びやかな視点を生み出しています。
フクギの木々に一歩近づき、その枝葉をより身近に感じられるような場所です。
大きな屋根に覆われたテラスは、天候に左右されることなくBBQやサウナ後の「ととのい」の時間を楽しめる、多目的なアウトドアリビングとして計画しました。
夜には屋根越しに満天の星空を望み、日常から離れた非日常的な時間が広がります。
さらに、屋根は片流れの大きな一枚の曲面とし、雨水がプールへ向かって流れ落ちる形状としています。
雨をただ避けるのではなく、雨そのものを風景として取り込み、音や水の動きまで感じられる空間をつくりました。
先人たちによって守り継がれてきたフクギの風景。
その自然と共に過ごし、備瀬の魅力を最大限に感じる。
自然に包まれながら、ゆっくりと、優雅な時間を過ごすためのヴィラです。








Blanc






Nero






Kayu






| 計画地 | 沖縄県国頭郡本部町備瀬 |
| 主要用途 | ホテル |
| 工事種別 | 新築工事 |
| 構造・規模 | RC造・地上2階 |
| 設計·監理 | 株式会社Fuu 山本恒太 |
| インテリアデザイン | 株式会社Fuu 渡邊広美 |
| 構造 | 田中哲也建築構造計画 |
| 設備 | 株式会社前田設備設計事務所 |
| 施工 | 株式会社琉球経済開発 |
| Blanc | 敷地面積: 313.55㎡ 延床面積: 130.02㎡ |
| Nero | 敷地面積: 413.18㎡ 延床面積: 130.02㎡ |
| Kayu | 敷地面積: 366.42㎡ 延床面積: 130.02㎡ |